夜勤前に買い物へ行って、少し昼寝して、そのまま出勤。夜勤明けは「明け休みだから」と予定を入れて、外食して、夜まで起きてしまう。看護師なら、一度くらい心当たりがあるかもしれません。
長年夜勤をしてきた看護師の体験談を聞くと、夜勤のつらさは「眠い」だけではありませんでした。16時間勤務、取れない仮眠、少人数の責任、深夜の食事、明けの散財。体力だけでなく、判断力も生活リズムも削られていきます。
夜勤前後を休み扱いしない
Smart Nurse Labとして一番伝えたいのは、ここです。夜勤明けは休みではありません。夜勤入りの日も、ただの自由時間ではありません。
体力を使う予定を詰め込まず、睡眠・食事を整える日。
遊ぶ日ではなく、判断力と体内リズムを戻すための日。
「最適解」といっても、全員に同じ正解があるわけではありません。ただ、夜勤前後を予定で埋めるほど、回復する時間は削られます。まずはこの前提を変えるだけでも、夜勤のダメージは少し減らせます。
夜勤がしんどい理由
夜勤は、夜に働くことそのものに加えて、長時間勤務、仮眠不足、生活リズムの乱れが重なります。NIOSHの看護師向けトレーニングでも、交代勤務や長時間勤務は睡眠、疲労、注意力、健康行動に影響するテーマとして扱われています。
睡眠量だけでなく、日中睡眠の質が落ちやすい。
ストレス少人数で多くの患者さんをみる責任がある。
体内リズム本来眠る時間に働き、明るい時間に眠ることになる。
慢性疲労頭脳労働と身体介助が長時間続く。
食事おにぎり、菓子、カフェイン、明けのドカ食いに寄りやすい。
17時に出勤して翌9時に退勤する2交代制の場合、準備や残業を含めると、病院にいる時間がかなり長くなることもあります。月に何回も続けば、「若いから大丈夫」だけでは済まなくなります。
夜勤入りの日の整え方
夜勤入りの日は、出勤までの時間をうまく使えるように見えます。でも、そこで予定を詰め込みすぎると、夜勤が始まる前から体力を使い切ってしまいます。
出勤前に横になる時間を確保する
眠れなくても、暗めの部屋で横になるだけで判断を減らせます。スマホで時間を溶かすより、体を休ませることを優先します。
夜勤中に崩れない食事を用意する
おにぎりだけ、菓子だけ、エナジードリンクだけに寄せない。たんぱく質、汁物、消化しやすいものを少し入れておきます。
予定はひとつまでにする
買い物、役所、美容院、友人との予定を全部入れると、夜勤前から疲れます。夜勤入りは「準備日」と割り切ります。
カフェインは集中力を支えてくれる一方で、遅い時間に取りすぎると勤務後の睡眠を邪魔することがあります。毎回だらだら飲むより、勤務開始前や本当に眠気が強い場面など、使いどころを決めるのがおすすめです。
夜勤明けの過ごし方
夜勤明けは、テンションが少し変になります。眠いのに妙に動ける気がしたり、判断力が鈍っているのに買い物や外食に流れたりします。
寄り道を増やさず、まず帰宅する。
胃に重すぎないものを選ぶ。
スマホ、明るい照明、通知を減らす。
家事や予定より、回復を先に置く。
夜勤明けに旅行、飲み会、ショッピングを入れると「時間をうまく使えている」ように感じることがあります。でも、明けの体は普通の休日の体ではありません。まず回復してから動くほうが、長く働くうえでは得です。
夜勤代と回復コスト
夜勤は手当がつくので、収入面では大きなメリットがあります。ただし、夜勤明けの外食、マッサージ、ドカ食い、衝動買い、通院、睡眠不足によるパフォーマンス低下まで含めると、本当に得しているかは一度見直してもいいかもしれません。
夜勤手当だけを見るのではなく、準備時間、残業、明けの回復時間、体調を崩した時のコストまで含めて考えると、自分にとっての夜勤の価値が見えやすくなります。
夜勤を辞めることが正解とは限りません。夜勤のほうが合う人もいますし、生活のために夜勤手当が必要な時期もあります。だからこそ、辞めるか続けるかの前に、夜勤で削られた体と生活をどう守るかを考えておきたいところです。
まとめ
夜勤前・夜勤明けの過ごし方の最適解は、特別な健康法を増やすことではありません。夜勤入りを準備日にする。夜勤明けを回復日にする。睡眠、食事、予定をその前提で組み直すことです。
夜勤を続けるなら、気合いではなく仕組みで体を守りましょう。患者さんのケアを続けるためにも、まず自分の体を使い捨てにしないことが大切です。
参考: NIOSH Training for Nurses on Shift Work and Long Work Hours、夜勤経験者の体験談、交代勤務・睡眠・カフェイン・食事に関する公開情報をもとにSmart Nurse Labで構成・整理しました。
この記事は一般的な生活情報として作成しています。強い不眠、体調不良、気分の落ち込みが続く場合は、無理をせず医療機関や職場の相談窓口に相談してください。