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東京都へ転職する看護師へ

最大20万円の就業・定着奨励金とは

東京タワーと都内の病院を望む部屋で転職と奨励金申請の資料を確認する看護師

これから東京都内の病院へ転職・復職する看護師を対象に、一定の条件を満たすと最大20万円の給付を受けられる可能性がある制度を知っていますか?

東京都の「就業・定着奨励金」は、対象研修を受講した後、都内の対象施設へ看護職として再就業し、一定期間勤務した人が本人申請できる制度です。6か月分は5万円、就業開始から2年分は15万円で、合計は最大20万円です。ただし、東京都で働けば自動的にもらえる制度ではありません。

この記事の結論

最も大切なのは、東京都へ就業する前に対象研修を受講することです。就業後に制度を知っても、その勤務では対象にならない可能性があります。求人へ応募する段階から、研修、勤務施設、週の所定労働時間、継続期間、申請期限を順番に確認しましょう。

本記事は2026年8月5日時点の東京都ナースプラザ公式ページ、2026年度ガイドブック、申請フォーム、就労証明書、FAQを確認して作成しています。個別の雇用契約について支給を保証するものではありません。

東京都の「就業・定着奨励金」とは

就業・定着奨励金事業は、看護職員の再就業と定着を促すため、東京都が2022年1月から実施している事業です。窓口は東京都ナースプラザで、奨励金を受ける本人が申請します。

制度の入口には研修がありますが、研修の受講料を補助する制度ではありません。指定された研修を受講し、その後に要件を満たす再就業・再雇用を行い、6か月または2年継続して従事した時点で申請できる仕組みです。

「最大20万円」は支給保証ではありません

要件を満たして期限内に申請した後、書類の審査を経て交付・不交付が決定されます。「研修を受ければ20万円」「東京都の看護師なら全員対象」という意味ではありません。

最大20万円の内訳は「5万円+15万円」

再就業後6か月5万円交付は1回限度
就業開始から2年15万円交付は1回限度
合計最大20万円それぞれ別に申請

6か月分と2年分は、その都度申請します。6か月分の5万円を受け取ったからといって、2年分の15万円が自動的に支給されるわけではありません。

また、交付は各1回限度です。別の病院へ転職したり、対象研修をもう一度受けたりしても、6か月分の5万円を何度も繰り返し受け取れる制度ではありません。

対象になる看護師か、まずチェックしよう

これから東京都内へ復職・転職する看護師は、次の項目を上から確認してください。

自宅で奨励金の対象条件をチェックする看護師
求人を決める前に、自分の状況と勤務予定先の条件を一つずつ確認します。画像はイメージです。

現在離職中であるまたは、定年後に再雇用・再就業する予定である。

eナースセンターへ登録する申請時に求職者番号が必要。登録情報も最新にする。

再就業前に対象研修を受講できる研修と就業の順番を逆にしない。

受講証明書を取得できる所定の受講時間など、研修ごとの要件を満たす。

研修後、期限内に就業を開始できる受講日の翌日から1年以内、または2028年6月までの早い日まで。

東京都内の対象施設で看護職として働く病院、クリニック、訪問看護ステーション、対象となる介護施設など。

1施設で週の所定労働時間が20時間以上残業込みの実労働時間ではなく、契約上の時間で確認する。

免許取得後、初めての看護職就業ではない看護師または准看護師免許取得後の初就業は対象外。

6か月または2年、継続して従事できる勤務時間の変更、休職、転職などがある場合は事前確認する。

すべてにチェックできても、最終的な交付可否は東京都ナースプラザの審査で決まります。判断に迷う項目が一つでもあれば、就業開始前に専用窓口へ相談してください。

東京都外に住んでいても対象になり得る

重要なのは、原則として住民票の場所ではなく勤務先です。公式FAQでは、東京都外に居住していても、東京都内の対象施設へ就業し、ほかの条件を満たせば対象になり得ると案内されています。

看護師だけでなく、看護職が対象

公式の就労証明書には職種として、看護師、准看護師、保健師、助産師の選択欄があります。ただし、勤務先で「看護職として再就業・再雇用している」ことが要件です。資格を持っていても、看護職以外の職種で採用された場合は同じ扱いとは限りません。

申請までの正しい順番

この制度は、就業してから申請書を探すだけでは利用できません。次の順番で進めます。

STEP 1eナースセンター登録求職者番号を取得し、登録情報を最新にする
STEP 2対象研修を受講所定の要件を満たし、受講証明書を取得する
STEP 3東京都内へ再就業研修の翌日から1年以内等の期限と勤務条件を確認
STEP 46か月継続勤務経過後に5万円を申請。申請可能日から6か月以内
STEP 5就業開始から2年継続して従事したら15万円を改めて申請
STEP 2とSTEP 3を逆にしない

公式ページも、対象研修の受講より先に再就業すると支給対象にならないと注意しています。内定・契約締結・就業開始のどの時点を基準にするか迷う場合は、契約前に専用窓口へ確認しましょう。

対象となる研修は3種類

復職支援の研修で看護技術を確認する看護師たち
対象研修には講義や看護技術を確認するコースがあります。開催内容と受講要件は公式案内で確認してください。画像はイメージです。
2026年度公式ページで案内されている対象研修
研修主な位置づけ
再就業支援研修離職中の看護職が、再就職に向けた知識や技術を確認する研修
復職支援研修病院体験、施設体験、学校に戻って体験の各コース
プラチナナースセミナー定年退職前後の看護職が、今後の働き方やライフプランを考える研修

東京都ナースプラザが開催・案内する研修なら、すべて奨励金の対象というわけではありません。申込画面や研修案内に「就業・定着奨励金対象研修」と明記されているか確認してください。

対象研修の期間と再就業期限

現在の公式ページでは、2025年4月から2028年3月までの対象研修を受講後、受講日の翌日から起算して1年以内、または2028年6月までのいずれか早く到達する日までに再就業・再雇用する条件が示されています。

制度期間は更新される可能性があります。古いブログやPDFに残る「2025年6月までに就業」といった旧期間を、これから受講する人の条件として使わないでください。

受講証明書は大切に保管する

受講証明書は、原則として研修開始から終了まで受講確認ができた人に発行されます。所定時間に満たない場合は発行されず、再発行も原則行われません。受け取ったら原本を保管し、コピーや写真も残しておくと安心です。申請時には写しを提出します。

対象となる勤務先と雇用条件

東京都内の対象施設で働く

対象になるのは、都内の病院、クリニック、訪問看護ステーションなど、法令等に基づいて看護職を配置する施設です。介護施設なども対象になり得ますが、施設の種類や根拠法令によって判断が必要です。公式の「その他法令等に該当する施設一覧」で確認しましょう。

1施設で週20時間以上

週20時間以上とは、残業を含めて実際に働いた時間ではなく、雇用契約書や就業規則などで確認できる週の所定労働時間です。複数の施設で働く場合に、それぞれの時間を単純に足して20時間にする条件ではありません。「1施設で」20時間以上が必要です。

常勤だけでなく、有期雇用やパートも対象になり得る

公式の就労証明書には、「常勤(正規・非正規)」「有期雇用」「臨時雇用(1か月未満)」の選択欄があります。記入見本では、常勤を無期雇用、有期雇用を1か月以上の雇用で契約更新がある人として整理しています。

したがって、有期雇用の常勤やパートであることだけを理由に、一律対象外になるとは読めません。ただし、勤務先、職種、週20時間以上、継続期間など、ほかの要件はすべて満たす必要があります。

応援ナース・トラベルナースも対象になる?

結論は、「応援ナース」「トラベルナース」という呼び方だけでは決まらず、実際の契約と勤務実態が要件を満たせば対象になり得るです。公式資料には「応援ナース」という商品・サービス名の支給保証はありませんが、有期雇用と派遣を想定した書式があります。

スーツケースを持って東京都内の勤務先へ到着した応援ナース
短期赴任でも、呼び方ではなく雇用主、派遣先・勤務先、契約期間、週の所定労働時間を確認します。画像はイメージです。

医療機関との直接雇用の場合

人材紹介会社から求人を紹介され、最終的に東京都内の医療機関と本人が直接雇用契約を結ぶ形です。この場合、雇用主である医療機関から就労証明を受けます。

就職経路は東京都ナースバンクだけに限定されません。公式FAQでは、ハローワーク、人材紹介会社、施設への直接応募なども対象になり得るとされています。ただし、申請に必要なeナースセンター登録と求職者番号は別に準備します。

派遣会社が雇用主となる場合

派遣契約では、雇用主は派遣会社、実際に働く施設は派遣先です。東京都ナースプラザの公式申請フォームには「勤務先名称(派遣の場合、派遣先名称)」という入力欄があります。また、公式の就労証明書には「派遣等の場合は、雇用主として記載」とあり、雇用主が証明する設計です。

直接雇用と派遣で確認する書類上の違い
項目医療機関との直接雇用派遣会社が雇用主
雇用主勤務する医療機関派遣会社
勤務先雇用された医療機関実際に働く派遣先施設
就労証明雇用主の医療機関が証明雇用主である派遣会社が証明
施設要件勤務先が都内の対象施設派遣先が都内の対象施設か確認

これらの書式から、派遣を一律に排除していないことは確認できます。一方で、派遣先や契約内容ごとの対象可否までは書式だけで確定できません。派遣元が都外にある場合、派遣先変更が予定されている場合、複数施設を回る場合は、契約開始前に専用窓口へ確認してください。

有期雇用契約書と勤務予定を照らし合わせる看護師
応援ナースの契約前に、雇用主、勤務施設、就業開始日、終了日、週の所定労働時間を確認します。画像はイメージです。

「6か月契約」だけでは判断できない

契約書に6か月と書かれていても、制度上の「就業開始から継続して6か月が経過した日」を満たすかは、実際の日付で確認します。公式FAQの例では、4月1日就業開始なら9月30日をもって6か月が経過し、10月1日から申請可能です。

就労証明書には、空欄や見込日を記載できません。契約満了予定で先に証明をもらうのではなく、実際に6か月を経過してから証明を受けます。契約期間がぎりぎりの場合は、開始日と終了日を伝えて東京都ナースプラザへ確認しましょう。

転職した場合の継続期間と支給回数

退職翌日から1か月以内の転職

公式FAQでは、再就業後に転職した場合、退職の翌日から起算して1か月以内に転職すれば、離職期間も含めて一つの就業期間とすると案内されています。最初の就業から通算して2年分を目指せる可能性があります。

1か月を超えて転職した場合

FAQでは、1回目の6か月分を受け取った後、1か月を超えて転職した場合、最初の就業開始から継続していないとみなされ、2年分の申請資格を失うと説明されています。休職、産休・育休、派遣先変更などは個別条件が異なるため、記事だけで判断しないでください。

5万円を何度も受け取ることはできない

6か月分5万円と2年分15万円の交付は、それぞれ1回限度です。たとえば、応援ナースとしてA病院で6か月働いて5万円を受給した後、B病院でさらに6か月働いても、5万円をもう一度受け取ることはできません。

転職後に目指せるのは、条件を満たした2年分

A病院で6か月勤務後、退職翌日から1か月以内にB病院へ転職し、対象となる勤務を継続できた場合は、最初の就業開始から通算2年で15万円を申請できる可能性があります。

申請できる時期と必要書類

申請は6か月・2年の経過後

就業開始日から継続して6か月または2年が経過した日の翌日から申請できます。それぞれの申請可能日から6か月以内が申請期間で、郵送は消印有効です。

6か月分を申請し忘れて期限を過ぎても、2年分の要件を満たせば15万円の申請は可能とFAQにあります。ただし、5万円と15万円をまとめて20万円として申請することはできません。

主な申請書類は3点

  1. 就業・定着奨励金支給申請書
  2. 就労証明書
  3. 対象研修の受講証明書の写し

申請書にはeナースセンターの求職者番号、就業期間、勤務先、就業に利用した機関、週の所定労働時間、振込先などを記載します。公式フォームで入力して印刷した後、確認項目への回答と自署が必要です。

勤務先の担当者と就労証明書類を準備する看護師
就労証明書は東京都ナースプラザ所定の書式を使い、雇用主に証明を依頼します。画像はイメージです。

就労証明書は雇用主へ依頼する

就労証明書には、勤務施設、実際の就労期間、週20時間以上を満たした期間、職種、雇用形態、勤務形態などを記載します。勤務先が変わった場合は、勤務先ごとに作成・提出するよう記入見本に案内があります。

申請書類を受理した後、東京都ナースプラザが交付または不交付を決定し、交付の場合に指定口座へ振り込まれます。

対象外・申請失敗につながりやすいケース

  • 就業開始後に対象研修を受けた研修が先、再就業が後という順番が必要です。
  • 対象ではない一般研修を受けた研修案内に奨励金対象と明記されているか確認します。
  • 受講証明書が発行されなかった・紛失した所定の受講時間を満たし、受領後は原本とコピーを保管します。
  • 研修から就業までの期限を超えた受講証明書の有効期限と制度終了時期の早い方を確認します。
  • 1施設で週20時間に満たない残業や別施設の時間を足すのではなく、契約上の所定労働時間で判断します。
  • 6か月経過前に契約が終了した「6か月契約」という名称ではなく、実際の開始日と終了日で確認します。
  • 申請期限を過ぎた6か月分と2年分には、それぞれ別の申請期限があります。
  • 5万円を勤務先ごとに申請できると思った交付は6か月分・2年分とも各1回限度です。

よくある質問

東京都外に住んでいても対象ですか?

都内の対象施設で看護職として勤務し、ほかの要件を満たせば対象になり得ます。居住地だけで判断しません。

常勤や正職員でなければ対象外ですか?

常勤限定ではありません。有期雇用やパートでも、1施設で週20時間以上などの要件を満たせば対象になり得ます。

応援ナース・トラベルナースも対象ですか?

一律対象外ではありません。直接雇用か派遣かを確認し、都内の対象施設、週20時間以上、研修受講の順番、6か月の継続などを満たす必要があります。

人材紹介会社を利用しても対象ですか?

就職経路は東京都ナースバンクに限定されません。ただし、eナースセンターへの登録と求職者番号は必要です。

6か月勤務後、退職していても申請できますか?

6か月分の要件を満たした日の翌日から6か月以内であれば、現在離職中でも申請可能と公式FAQにあります。

6か月分を申請し忘れたら、2年分も申請できませんか?

2年分の要件を満たせば15万円は申請できます。ただし、5万円と合わせて20万円としてまとめて申請はできません。

受講証明書は再発行できますか?

原則再発行されません。受領後は大切に保管し、コピーや写真も残しておきましょう。

まとめ:東京都へ転職する「前」に確認しよう

東京都の就業・定着奨励金は、対象研修を受けた後、都内の対象施設へ看護職として再就業・再雇用し、週20時間以上の条件で6か月または2年継続して従事した人が申請する制度です。

応援ナースやトラベルナース、有期雇用、パート、派遣も、呼び方や雇用形態だけで一律対象外にはなりません。ただし、個々の雇用主、勤務施設、契約期間、週所定労働時間によって判断が変わります。

求人へ応募する前にeナースセンターへ登録し、対象研修の日程を確認しましょう。勤務予定先と契約内容が対象になるか迷ったら、契約開始前に東京都ナースプラザの就業・定着奨励金専用ダイヤル(03-6304-2611)へ確認してください。

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参考資料・出典

本記事は2026年8月5日時点の公式情報をもとに作成しています。対象期間、研修、申請様式、施設要件、FAQは更新される場合があります。申請前に必ず東京都ナースプラザの最新情報をご確認ください。掲載写真はすべて生成イメージであり、実在する施設、研修、申請書、人物を表すものではありません。Smart Nurse Labと東京都・東京都ナースプラザとの提携関係はありません。