Smart Nurse Lab

本業以外で得た収入、確定申告していますか?

看護師が確認したい副収入と税金

自宅で本業と副業の書類を確認し確定申告の準備をする看護師

本業の勤務先で年末調整が終わると、税金の手続きもすべて終わったように感じます。けれども、単発バイトや別の病院から受け取った給与、ライターや講師などの報酬まで、本業の会社がまとめて精算してくれるわけではありません。

「副収入が20万円以下なら何もしなくてよい?」「少額でも住民税を払う?」と迷ったら、金額だけを見る前に、副収入の種類を確認しましょう。

この記事の結論

本業で年末調整を受けていても、副業分まで手続きが終わったとは限りません。「給与か、給与以外か」「収入か、所得か」「所得税か、住民税か」の順に確認します。20万円以下でも、所得税の確定申告とは別に住民税の申告が必要になる場合があります。

税金に関する大切な注意

この記事は、本業の給与について年末調整を受けている一般的な給与所得者を想定した、2026年7月28日時点の情報です。申告の要否や税額は、収入の種類、勤務先の数、所得控除、居住地、その年の制度改正などで変わります。個別の税務判断を行うものではありません。実際の手続きは、申告する年の国税庁情報と、1月1日時点で住んでいる自治体の案内を確認し、迷う場合は税務署、自治体の税務窓口または税理士へ相談してください。

本業で年末調整をしていても、副業分は別に確認する

年末調整は、勤務先が毎月の給与から源泉徴収した所得税と、その年に納める所得税の過不足を精算する手続きです。多くの給与所得者は、本業の年末調整によって所得税の手続きが完了します。

ただし、本業以外の勤務先から受け取った給与や、業務委託などで得た所得は、本業の年末調整に自動で含まれるわけではありません。副業先で所得税が源泉徴収されていても、それだけで申告が必要ないとは判断できません。

最初に「副業でいくら入金されたか」だけを見るのではなく、誰とどのような契約を結び、何として受け取ったお金なのかを確認します。

まず、副収入を2種類に分けよう

副業先からの給与と業務委託の収入を2つのトレーに分けて整理する看護師
副収入は、金額を足す前に「給与」と「給与以外」に分けます。画像はイメージです。
看護師に身近な副収入の分け方
副収入の種類主な例最初に確認する書類
別の勤務先からの給与単発バイト、健診、イベント救護、別の病院・施設での勤務雇用契約書、給与明細、源泉徴収票
給与以外の収入業務委託、医療・看護ライター、講師、SNS・ブログ広告、物販契約書、請求書、入金明細、支出の記録

仕事の名前だけではなく、契約内容で判断します。同じ「ライター」でも、会社に雇用されて給与を受け取る場合と、業務委託として報酬を受け取る場合があります。分からなければ、契約書と受け取った書類を確認しましょう。

「収入」と「所得」は同じではない

20万円という基準を考えるとき、特に給与以外の副業では「入金された金額」と「所得」を区別する必要があります。

給与以外の副業における基本の考え方

総収入金額 − 必要経費 = 所得

たとえば、業務委託の入金が年間25万円で、その業務に直接必要だった経費が適切な記録とともに7万円ある場合、単純な計算上の所得は18万円です。これは考え方を示す例であり、その支出が実際に必要経費になるかは、業務との関係や使用実態によって判断されます。

私生活と副業の両方で使うパソコンや通信費などは、全額を自動的に経費にできるわけではありません。国税庁は、記録などに基づき、業務のために直接必要だった部分を明確に区分できる場合、その区分できる金額を必要経費にできると案内しています。

一方、別の勤務先から受け取る給与については、後ほど説明する「年末調整されなかった給与の収入金額」を確認します。給与と業務委託報酬を同じ計算式に入れないことが大切です。

副収入の種類別に、確定申告を確認しよう

本業以外の勤務先から給与を受け取った場合

副業先と雇用契約を結び、単発バイトや別の医療機関から給与を受け取るケースです。原則として、従たる勤務先の給与は本業の勤務先で年末調整できないため、自分で精算が必要か確認します。

給与の全部が源泉徴収の対象となる一般的なケースでは、「年末調整されなかった給与の収入金額」と「給与・退職所得以外の所得金額」の合計が20万円を超える場合などに、確定申告が必要になります。副業先の源泉徴収票を受け取り、本業の源泉徴収票と分けずに保管してください。

業務委託や原稿料など、給与以外の収入がある場合

本業の給与収入が2,000万円以下で、1か所から受け取る給与の全部が源泉徴収の対象となり、年末調整を受けている場合、給与・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要です。

「一つの副業で20万円」ではなく、対象となる給与以外の所得を合計して確認します。また、原稿料や講演料などで源泉徴収されていても、申告要否とは別の話です。

給与と給与以外の副収入が両方ある場合

年末調整されなかった副業先の給与収入と、給与・退職所得以外の所得金額を合わせて確認します。自分のケースが条件に当てはまるか判断しにくい場合は、源泉徴収票、契約書、入金と経費の一覧を用意して税務署へ相談すると整理しやすくなります。

副収入が20万円以下なら、何もしなくてよい?

いいえ。「20万円以下」という数字だけで、何もしなくてよいとは判断できません。

  • 給与以外の副業では、原則として「収入」ではなく必要経費を差し引いた「所得」を見る
  • 別の勤務先からの給与では、「年末調整されなかった給与の収入金額」を確認する
  • 複数の副収入があれば、対象となる金額を合計する
  • 所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合がある
  • 医療費控除など別の理由で確定申告をする場合は、20万円以下の所得も含めて申告する

20万円以下の所得を、申告書から自由に省略できる制度ではありません。国税庁は、20万円以下で確定申告が不要な給与所得者でも、医療費控除などのために確定申告をする場合は、その所得も併せて申告する必要があると説明しています。

1円でも副業収入があれば、住民税を払う?

1円でも副業収入があれば、必ず住民税の納付額が発生する、という意味ではありません。住民税は、副業の入金額だけでなく、本業を含む前年の所得、必要経費、所得控除、税額控除、非課税要件などを踏まえて計算されます。

ただし、「納税額が発生するか」と「住民税の申告が必要か」は別です。所得税には、一定の給与所得者について給与以外の所得が20万円以下なら確定申告を原則として要しない制度がありますが、この扱いが住民税へそのまま適用されるわけではありません。

住民税で覚えておきたいこと

所得税の確定申告をした場合、通常はその情報が自治体へ送られるため、住民税申告を改めて提出する必要はありません。所得税の確定申告をしない場合は、副業所得について住民税申告が必要か、1月1日時点で住んでいる自治体へ確認してください。

副業が給与で、副業先が給与支払報告書を自治体へ提出している場合など、改めて住民税申告を必要としないケースも自治体から案内されています。全国一律に「少額でも必ず自分で申告」と言い切らず、居住地の公式案内で確認するのが確実です。

副業を始めたら、年末まで残しておきたいもの

副業の入金記録や領収書をファイルにまとめる看護師
入金と支出を日頃から分けて記録すると、申告の要否を確認しやすくなります。画像はイメージです。
本業と副業先の源泉徴収票別の勤務先から給与を受け取った場合は、すべて保管する。
契約書・請求書・報酬明細雇用か業務委託か、何の対価として受け取ったかを確認する。
入金の記録振込日、支払者、金額、仕事内容が分かるように残す。
領収書・利用明細日付、金額、副業に必要だった理由を記録する。
源泉徴収された税額支払い時に税金が差し引かれている場合も記録する。

支払調書が届かないことや、報酬から税金が引かれていないことだけを理由に、申告不要とは判断できません。毎月一度、入金と支出をまとめる習慣をつくると、翌年に慌てずに済みます。

自分の申告が必要か迷ったときの確認手順

STEP 1 副収入の種類を分ける別の勤務先からの給与か、業務委託などの給与以外かを確認する。
STEP 2 金額を整理する給与は源泉徴収票、給与以外は収入と必要経費の記録をそろえる。
STEP 3 所得税を確認する申告する年の国税庁「確定申告特集」や「給与所得者で確定申告が必要な人」を確認する。
STEP 4 住民税を確認する所得税の確定申告をしない場合は、居住地の自治体へ住民税申告の要否を確認する。

申告期限は曜日や制度変更によって変わるため、古い記事の日付をそのまま使わず、毎年の国税庁「確定申告特集」で確認してください。国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、画面の案内に沿って申告書を作成できます。制度の相談は国税庁の電話相談センター、操作方法はe-Taxの問い合わせ窓口、住民税は自治体の税務担当窓口が確認先です。

副業の目的、時間、本業への影響から働き方を考える

単発バイトと業務委託の制度上の違いを確認する

まとめ:副収入は「給与か、給与以外か」から確認する

本業の年末調整が終わっても、別の勤務先から受け取った給与や、業務委託などで得た所得まで自動的に精算されたとは限りません。

まず、副収入を「別の勤務先からの給与」と「給与以外の収入」に分けます。給与以外の副業では、収入から必要経費を差し引いた所得を確認します。複数の勤務先から給与を受け取った場合は、年末調整されなかった給与の収入金額を確認します。

そして、所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。「20万円以下なら何もしなくてよい」「1円でも収入があれば必ず住民税を払う」と決めつけず、自分の書類を整理して、公的な最新情報から確認しましょう。

参考資料・出典

本記事は2026年7月28日時点で確認できる公的情報をもとに作成しています。税制、申告期限、自治体の手続きは変更される場合があります。記事は一般的な情報であり、個別の申告要否や税額を判断するものではありません。申告する年の国税庁と居住地の自治体の公式情報をご確認ください。掲載画像はすべて生成イメージであり、人物、書類、金額、勤務先は実在のものではありません。